Jaques Durand (ジャック デュラン)は何度かとりあげてきましたが、

今回は、このフレームの別の面を掘り下げてみることにします。

jacwues-Durand-002

Jaques Durand 511 col/013

jacwues-Durand-007

どこにも、ブランド名やモデル名、原産国の表示が無いように思われますね。

jacwues-Durand-005

ところが、ひっくり返して下から見ると、

実はテンプルの下の部分に、ロゴマーク、モデル名、カラー番号、

原産国表示がされています。

大変めずらしいですね。

case

さらに、このフレームには、このようなカードがついています。

card_omote

Jaques Durand (ジャック デュラン) の製造についてのカードです。

oyonnax (オヨナックス、オヨナ)というのは、アルプスの山々のそば、

フランスといっても、スイスのそばの、

パリからは500キロ南東へ行ったところです。

日本の福井県鯖江市でメガネの製造が産声を上げたのが、

1905年明治38年ですが、

その100年以上前から製造されていた、眼鏡の製造に関しては

古いふるい町です。

カードの裏には、

card_ura

スクリュー(ネジ)、ノーズパッド、みがき、アセテートの素材、つるの部分、

丁番にいたるまで、こと細かに、

製造した会社、その国、製造番号までが載っています。


生地はイタリアのMazzucchekli(マツケリー社)、

ノーズパッドは Comotec(コモテック)、

これもオヨナックスの近くのMorez (モレ)にある会社ですね。

一番下には、メタルの部分で、

Pforzheim(プフォルツハイム)というドイツの町の名前がのっています。

こちらも古くからのドイツの

眼鏡製造の町の名前です。

2年前に立ち寄ったことがありましたが、

シュツットガルトとバーデンバーデンの間あたりだったと

記憶しています。


いまは、オヨナックスと同様、

眼鏡産業はイタリアに、日本に、中国に、製造の場が移っていき、

残っている眼鏡製造の会社は激減しているようです。

ところで、

日本でも数年前に、眼鏡の原産国表示についての動きがありました。

今は、中国製ならmade in China.

日本製は made in Japan  

イタリア製なら、made in Italy  または made in Italia

ときちんと表示がされているはずです。

ちなみに、

made in Italy と made in Italia の違いですが、

それは made in Japan と made in Nippon のような違いでしょうか。

意味は全く同じです。

2、3年前のモードオプティークに、

あえてmade in Italia としているのだと、

イタリアのメーカーの方がおっしゃっている記事がのっていました。


あえて、Italia と刻印をするということに、

”俺たちは本当のイタリア人なんだ”という誇りを感じます。

そこには、原産国表示の隙間をついたメーカーの不当表示にたいする、

強い意思の表れがあるのだろうと、

そのとき思ったことがありました。

ちなみに、ケースはJules Bavoux というフランスのメーカーのものです。

原産地にこだわった、アイウェア。

細かいことですが、大事なことかもしれませんね。

デザインに意表をついた可愛さがあるフレームです。

ぜひ、ちょっとこだわったアイウェアをお探しの方は、

渋谷のアイウェアメビウスまで、いらっしゃってください。




natume
dog